社員のSNS発信については、危機管理の観点から会社として対策が必要

奈良市職員の迷惑行為

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2020年1月に、奈良市の職員が、近鉄奈良駅で隣のホームに飛び移ろうとし、ホーム下に転落した映像がSNSで拡散され、炎上騒ぎを起こしました。

この職員は、酒に酔っていたらしいのですが、酒のうえでのそそうでは済ますことのできない、大変な迷惑行為です。

このような行為が人目に触れれば、世間から大変な批判を浴びることは想像に難くないですが、一緒にいた友人は、なぜこの行為を撮影し、かつまた友人限定とはいえ周囲に公開したのでしょうか?

投稿した内容が注目を集めると承認欲求が満たされる

SNS拡散

変わった動画や画像は、人々の関心を集めます。
SNSの普及により、誰でも簡単に人の関心を引く動画や画像を投稿できるようなりました。

その投稿した動画や画像がより多くの人の関心を集めれば、投稿した本人の承認欲求が満たされ、気分が高揚することになります。
一度この高揚感を味わうと、それがくせになり、より過激で人目を引く投稿をしたい欲求に駆られる・・・。

一社員によるプライベート上の行為でも拡散されると、所属先企業も「炎上」のリスクが

所属先企業も「炎上」のリスク

炎上が避けられないと分かっていても、投稿してしまうのは、炎上を避けるという理性よりも、承認欲求という欲望が勝ってしまうからではないでしょうか?

今回、この動画に写っていたのは、奈良市の職員と報道されていました。
この職員は、お酒を飲んでいたとのことなので、業務時間中ではなくプライベートな時間にこの行為をしたと思われますが、新聞等で大きく報道される時は、「奈良市職員」と所属先が公表されてしまいます。

一人の社員によるプライベート上の行為がSNSに投稿され、迷惑行為として拡散してしまうと社員の所属先まで公表されてしまいます。

一気に高まった需要によるマスク不足は仕方がないことではあるが…

マスク不足

記憶に新しいのは、コロナ禍におけるトイレットペーバー不足です。
2020年の3月頃のこと、思い返してみてください。
マスクが不足し、連日早朝からドラッグストアにマスクを求める人の長蛇の列ができていました。
一般の人だけではなく、コロナと闘う医療従事者用のマスクでさえ不足しているとのニュースが報道されていました。

これは、マスク需要が一気に高まったことによる供給不足です。
日本でも必要になることが想定できていたにもかかわらず、先にコロナウイルスが大流行していた中国に、大量にマスクを送り届けていたことに対して批判はありましたが、必要なマスクを供給するだけの力が足りなかったことがマスク不足の原因でした。
この件は、誰が悪い訳でもないので、仕方がないことと受け入れ、必要な量が供給されるようになるまで、我慢して待つしかありません。

デマツイートにより、十分な供給量があったトイレットペーバーが不足…

トイレットペーバーが不足

しかしながら、トイレットペーバーは違います。
十分な供給量があったにもかかわらず、皆が一斉に買いに走ったため、一気に供給不足となってしまいました。

このトイレットペーバー不足の原因は、一人がTwitterで、「トイレットペーバーの多くは中国で製造されている。コロナの影響で中国からトイレットペーバーの輸入ができなくなるため、早晩日本でトイレットペーバーが不足する」といった趣旨の投稿をしたことが原因です。

この投稿は、完全なデマで何の根拠もないものでしたが、マスク不足との状況下で、中国からの輸入が止るといった、もっともらしい内容だったこともあってか、あっという間に拡散されました。

デマツイートをした社員の所属先が謝罪することに

所属先が謝罪

このデマツイートは、米子医療生活協同組合の職員が発信したものと特定され、同組合が、公式サイトで謝罪したと報道されていました。

デマを発信した職員は、自身の承認欲求を満たすため、このような悪質な行為をしたのかもしれませんが、
新型コロナウイルスの蔓延により、社会不安が増大しているなかでは、普段は見過ごされることであっても、社会に大きな悪影響を及ぼします。

プライベートアカウントからの発信でも自分の所属先が謝罪に追い込まれることも

所属先が謝罪

自分が普段感じていることや、日常生活における気づきなどをSNSで発信するのであれば問題ありませんが、社会不安をあおるようなデマを発信をする、迷惑行為を投稿すると、たとえそれが自分のプライベートのアカウントであっても、今回のように、その発信者が所属している組織が謝罪するはめになります。

奈良市の職員は、報道されたのが関西ローカルだったので、全国的に知れ渡るといったことはありませんでした。
しかしながら、トイレットペーバーが不足するとのデマは、大きな影響を及ぼしたこともあり、全国紙などで報道されたため、米子医療生活共同組合の名前が悪い意味で全国に知れ渡ってしまいました。

危機管理の観点から、社員によるSNS投稿炎上防止策を

一社員の軽い気持ちで発信したSNSにより、企業がこれまで築き上げてきたブランドイメージが一瞬にして崩れ去ってしまいます。
誰もが気軽にSNSで発信できる昨今、このようなリスクはどの会社にも内在しています。

SNSは社員がプライベートでやっていることだからと放置しておくと、社員の不適切な発信により、会社のブランドイメージが大きく傷つきかねません

そのため、企業の危機管理の観点から、社員によるSNS投稿炎上防止策を講じる必要があります。

危機管理対策社内規定を整備する

社内の機密情報や個人情報などは、会社のアカウントは当然のことですが、個人のアカウントでも発信は全面禁止とする規定を策定し、規定に抵触する行為をしたものは懲戒処分と明示しておきます。

また、ソーシャルメディアポリシーなどを定めて、適切なSNS使用に関する会社として考え方を明確にしておきます。

SNS社内規定を整備

危機管理対策社員教育の実施

過去にはアルバイトによる不適切動画の投稿で飲食店が炎上

ちょっと考えれば、炎上を招きかねないと分りそうなことでも、人はSNSに投稿してしまいます。
ここでは詳しく事例として取り上げませんでしたが、回転寿司チェーンのくら寿司で、アルバイトの社員が、客に提供する刺身をゴミ箱に入れる動画をSNSで公開し、炎上しました。
この時は、くら寿司だけではなく、他の外食店でも同じような動画が次々と発掘され、次々と炎上していました。

社員教育

SNS投稿に関する社内規定を作成し、違反者には懲戒処分など厳しい姿勢で

誰が考えてもおかしいと感じることであっても、人は投稿してしまいます。
それは、理性より承認欲求という欲望が勝ってしまうことが大きな要因の一つです。

社員教育をする際には、この点も念頭におき、一時の承認欲求を満たすために行った行為が、自分にどう跳ね返ってくるかを想像できるよう、説明することが重要です。

また、この社員教育の際に、
会社が策定したSNS使用に関する規定の内容について、十分な時間をとって説明します。

その際には、違反した際の懲戒処分の内容についても説明し、
会社として、違反者に対して厳しい姿勢で臨むことを明確にしておきます。

社員のプライベートの投稿によって、会社のレピュテーションを落とすことがないよう、しっかりとした危機管理体制を構築することが求められます。


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HK人事労務コンサルティングオフィスは
SNS発信・炎上についての危機管理体制構築をご支援しております。

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