BCP策定状況チェックシート

BCP策定状況チェックシート

まずは、以下のチェックシートで、自社がどのような状態にあるか把握します。

1緊急事態発生時に、従業員の安全や健康を確保するための災害対応計画を作成していますか?
2災害が勤務時間中に起こった場合、勤務時間外に起こった場合、
従業員と連絡を取り合う手段を準備していますか?
3緊急時に必要な従業員が出社できない場合に備え、業務代替可能な従業員を育成していますか?
4会社のビルや工場は地震や風水害に耐えることができますか?
そして、ビル内や工場内にある設備は地震や風水害から保護されていますか?
5会社周辺や営業中の従業員の地震や風水害の被害に関する危険性を把握していますか?
6工場の操業不能、仕入先からの原材料の納品途絶等に備えていますか?
71週間又は1ヵ月程度、事業を中断した際の損失を把握していますか?
81ヵ月分程度の事業運転資金に相当する額のキャッシュフローを確保していますか?
9情報のコピーまたはバックアップをとっていますか?
10会社のオフィス以外の場所に情報のコピーまたはバックアップを保管していますか?
11緊急事態に遭遇した場合、会社のどの事業を優先的に継続・復旧すべきであり、 そのためには何をすべきか考え、実際に何らかの対策を打っていますか?
12責任者が出張中だったり、負傷したりした場合、 代わりの者が指揮をとる体制が整っていますか?

中小企業庁HPより一部改編 

BCP策定手順

BCP策定の大まかな流れは以下のとおりです。
この順番に沿って必要事項を策定していきます。

BCP策定の流れ

① 基本方針の策定

例えば、「本計画は、緊急事態(自然災害の発生や感染症の蔓延等)にあっても、従業員およびその家族の安全を確保しながら自社の事業を継続することを目的に策定したものである」など、自社の状況に即した基本方針を策定してください。

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② 重要商品の選定

緊急時においても自社で優先的に継続もしくは普及させる商品・サービスを選定します。
生命関連製品を扱う会社は、絶対に供給を止めないとの視点から選定することが必要です。

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③ 被害想定

規模地震発生や感染症蔓延時に想定される影響を、
ライフライン」「情報通信」「道路」「鉄道」などに分けて検討し、また、
会社への影響を「」「情報」「モノ」「お金」に分けて検討します。

被害想定とその対応を明確に規定

以下は、震度6以上の地震が発生した際の被害状況の想定です。
自然災害ごとに、細かく想定しておく必要があります。

● ライフライン → 利用不可

  • 停電が発生し、水道・ガスの供給もストップする
  • 電気・水道・ガスの順番で復旧する

● 情報通信 → 利用不可

  • 電話やインターネットがつながらない状況が長く続く
  • インターネットを使用するSNSの方が電話回線よりつながりやすい傾向がある

● 道路 → 一部利用不可

  • 一部の道路に通行規制が敷かれる
  • 信号機の消灯などにより、大渋滞が発生する

● 鉄道 → 利用不可

  • 点検のため、運行が完全に停止する
  • 順次再開はされるものの、運行再開まで多大な時間を要する路線もある

これらを踏まえ、自社への影響を検討します。

● 人

  • 被災し、怪我を負う社員や連絡がつかない社員が発生する
  • 自宅や家族の被災、鉄道の不通などにより、出社不能な社員が発生する

● 情報

  • 社屋の被災により、パソコンなどが損傷しデータが失われる恐れがある
  • 携帯電話等の不通で、社員やその家族の安否が確認できなくなる。
  • 一部の社員が不確定な情報に振り回される

● モノ

  • 店舗・事務所・工場などが破損や浸水する
  • 固定していない備品等が散乱する
  • 仕入れ先の損壊や、物流網の不全により、必要な物資が調達できなくなる

● お金

  • 事業活動の全部または一部停止により、この間の売上がなくなる
  • 運転資金のみならず、会社の建物・設備などを復旧させるために多額の費用が必要

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④ 重要商品提供のための対策

③で検討した被害想定を踏まえ、「人」「情報」「モノ」「お金」の面から、重要商品を提供し続けるための事前対策を詳細に検討します。

● 人

  • 従業員とその家族の安否確認ルールを策定し、それを踏まえ安否確認のための手段を講じていますか?
    ⇒自社で手段を講じるのは難しい場合があります。その場合は外部委託も検討しましょう。
  • 本人の被災や家族の被災、交通機関の不通などにより、重要商品供給上、必要な社員が出社できない場合を想定し、代替可能な従業員を育成していますか?
    ⇒普段から一人に重要な業務を集中しないようなマネジメントが重要です。
    また、一社単独での対策が難しい場合は、非常時には必要な人員を融通しあうなど、近隣の会社との連携体制を構築しておくことも有効です。

● 情報

  • 重要なデータの保存方法を決め、それを従業員に徹底していますか?
    ⇒重要なデータは個人に貸与している端末に保存するのではなく、自社の集中サーバなどで保存し、サーバのデータは定期的にバックしておくことが必要です。
  • 携帯電話による通話や通信が長時間できなくなることを想定していますか?
    ⇒インターネットは比較的つながりやすいので、LINEなどを使用しての安否確認システムの構築や、重要な拠点には、衛星電話を設置することも有効です。

● モノ

  • 設備や什器が入っている棚等は固定していますか?
    ⇒固定は必須です。毎年きちんと固定されているか点検しましょう
  • 非常時の食料や水、会社の重要備品・書類などを地下や1階に保管していませんか?
    ⇒津波や洪水などが想定されているエリアでは、地下や1階に保存していると、浸水によりすべて使用不能となる恐れがあります。

● お金

  • 事業がストップしている間に必要な運転資金がどのぐらい必要か把握していますか?
    ⇒コロナ禍のような長期にわたり事業活動に影響がでそうな災害についても想定しておきましょう。

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⑤ 緊急時の体制

緊急事態となった際の統括責任者および代理責任者を定めます。
統括責任者には、当然社長が就くべきですが、社長に連絡がつかなくなることも想定し、代理責任者を定めておくことが必要です。

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⑥ BCPの運用

せっかく策定しても、緊急時にスムーズな運用ができなければ、無用の長物となってしまうので、
BCPの重要性について、従業員の理解を深めるための教育を定期的に実施します。

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⑦ BCPの見直し

商品ラインナップの変更や、人事異動などに合わせて、BCPの内容についても変更する必要があるのかタイムリーに検討します。

BCPを策定しましょう!

BCPを策定しておくことで、事業を継続できる体制を整えることが求められる

BCPを策定状況

2020年 帝国データバンク調査

2020年の帝国データバンクの調査によると、BCPを策定している会社は、現在策定中も含めると、調査対象約2万2千社中26.3%です。
まだまだBCPを策定していない会社が多く存在します。

今回のコロナ禍に直面し、多くの会社が、自然災害などにあらかじめ備えておくことの重要性を肌で感じ取ったのではないでしょうか?

災害は新型コロナだけではありません。

いつ襲ってくるか分からない自然災害に備え、BCPを策定しておくことで、事業を継続できる体制を整えることが求められます。

BCPを導入している企業では、緊急時でも中核事業を維持・早期復旧することがきる

何も備えを行っていない企業では、事業の復旧が大きく遅れて事業の縮小を余儀なくされたり、復旧できずに廃業に追い込まれたりする恐れがあります。

一方、BCPを導入している企業では、緊急時でも中核事業を維持・早期復旧することがきるうえに、
その間の対応が取引先などから評価され、緊急事態前よりも業績が向上したとの例もあります。

BCPを導入による復旧

会社と従業員を守るとの観点からBCPの策定が求められる

会社は事業が継続できなくなると、存亡の危機に立たされます。
そのような事態に陥れば、そこで働く従業員も守ることができません。
会社と従業員を守るとの観点から、BCPの策定が求められます。

今回ここでご紹介した内容は、BCP策定における最低限必要とされる部分です。

これをもとに特に中核事業については、復旧までの時間を細かく想定し、それまでにどのような対策が必要となるのか、細部にわたり定めておくことが必要です。


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