大阪府でネット中傷防止条例が成立しました。安易なSNSへの投稿にはより注意が必要です

大阪府で成立したこの条例は、テレビ番組に出演していたプロレスラーの木村花さんが、SNS上で誹謗・中傷を受ける中、亡くなった問題などを受けて、大阪府議会の本会議で全会一致で可決され、成立したものです。

本条例には、ネット上での誹謗・中傷などによる人権侵害をなくしていくため、大阪府などが取り組むべき施策が明示されています。具体的には、被害者の心理的な負担を軽減するための相談体制などを構築するほか、子どもから大人まで府民にインターネットリテラシーを学んでもらう研修会などを実施するとしています。

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また、加害者側についても、特定されて被害を受ける場合もあるなどとして、支援できる体制の整備に取り組むとしています。

SNSの発達により、誰もが気軽に自分の意見や考えを世間に公表できるようになりました。SNSを通じて、様々な出来事に対し、建設的な意見を交わすのであれば、問題ないのですが、特定の方、特に有名人に対する誹謗・中傷が大きな社会問題となっています。

SNSは、スマートフォンを手にすれば誰もが気軽に使用できるツールになっています。また、スマートフォンを初めて手にする年齢は、年々低くなってきています。

多くの方が適切なSNSの使用について、何も学ばないまま安易にSNSを使用しているといった状況が、SNS上での歯止めのない誹謗・中傷につながっている面もあるのではないかと思います。

ここまでSNSの使用が広がると、企業の危機管理上、SNSの使用に関して、何らかの対策を講じることが必要となります。

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個人がプライベートでSNSに投稿した内容でも、それがあまりにも不適切で、世間から大きな反発を買うと、投稿した個人が特定され、その個人が所属する企業名までもが特定され、SNS上でさらされてしまうリスクがあります。

記憶に新しいところでは、中傷・誹謗でありませんが、コロナ禍で発生したトイレットペーバーの不足問題があります。

ある個人がSNSに、「トイレットペーバーの材料は中国製が大半で、コロナにより中国からの輸入が激減することで、日本でトイレットペーバーが不足する」と投稿しました。

全くでのデマで、何の根拠もないのですが、折からのマスク不足もあり、瞬く間に全国に広がり、日本各地でトイレットペーバー不足が発生しました。

このデマ投稿を行った個人は特定され、その個人が所属する企業も特定されたことで、その企業は、ホームページに謝罪文を掲載するとの対応を迫られました。

個人がプライベートで投稿したことですが、不適切かつ世間に与える影響が大きいと、個人が所属する企業名までもさらされる事態となってしまいます。

そのため、企業の危機管理上は、プライベートだからといって企業が何も関与しないのでなく、SNSの適切な使用について、社員を教育する、なんらかの規定を作成し、社員に遵守させるなどの対応が必要となります。

社員の不適切なSNSへの投稿により、これまで積み上げてきた企業のブランドイメージが、あっという間に崩壊してしまいかねません。また、失われた信用は一朝一夕では回復できません。

そのような事態を招くことがないよう、利益にならないといって後回しにするのではなく、社員の適切なSNS使用に関する教育や規定の作成などに、積極的に投資していくことが求められます。

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